Quantcast
Channel: シュマリの本棚
Viewing all articles
Browse latest Browse all 417

荒野に生きる オーストラリアの野生化した家畜たち

$
0
0
高橋春成著
1994年

目次
・在来動物と侵入者たち
・野生化した家畜の王国
   様々な環境に適応した家畜たち
  野生化の背景にあるもの
・野生化した家畜の有害性と活用面


全部で100ページ無い程の薄い本だが特殊な動物を取り上げており興味深い。オーストラリアの外来生物で特に有名なのはディンゴだろうか。紹介しているのは他にラクダ(ヒトコブ)、スイギュウ、ブタ、ヤギ、ロバ、ウマ、ウシ、バンテン(牛の一種)、ヒツジ、イヌ、ネコ。彼らがどうして連れてこられ野生化してしまったのかが書かれている。例で言えばラクダは砂漠などに適している為、運送用として重宝した。鉱山や羊毛、鉄道の敷設、ウサギ防護策、電信線、郵便物などあらゆる物の運送に使われたが1920年頃より道路網が整備され車両が入ってきた。これによりラクダの解き放ちが行われ、乾燥に適している彼らは定着した。

この様な事が詳しく書かれている。チョット情報が古い為、今ではより多くの昆虫や動物が流入してしまっている事だろう。特に今はオオヒキガエルがとんでも無い事になっているらしい(食ったワニやトリなんかが毒で死ぬ)。これもコガネムシ対策に持ってきたというから皮肉なもんだ。

世界的に人為的に移入された動物たちが問題になっている。それで固有種がダメージを受けるわけだが、誰か著名人がこんな事言ってた気がする。「昔から動物を家畜として扱ってんだから、人類が移動につれての固有種の絶滅なんて今に始まった事じゃない」チョットうる覚えだがこんな感じ。自然界は移入、淘汰と繁栄の繰り返しに過ぎないって事かな。

イメージ 1


Viewing all articles
Browse latest Browse all 417