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海の道 山の道

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遠藤ケイ著

2009年


漁法、狩猟法、製鉄法、農法、民間信仰など、日本には古来より伝わるさまざまな原型がある。それらは、黒潮や朝鮮半島からつづく「海の道」を経由して日本にもたらされ、中央構造体という「山の道」を介して日本各地に伝播していった。そのコミュニケーション回路は竹の根のように複雑にからみ合い、その道程には古代からつづく人間の知恵と時間が集積している。本書は、こうした日本の原型が形作られた歴史的な「道」を明らかにしながら、その「道」を生業として受け入れる職人たちの屹立した精神を静かに描く。二つの「道」が織り成す壮大なタペストリーのなかで、“日本”の姿を考えなおす。(筑摩書房HPより)

目次
第1章 竹の道・高千穂のサンカを追って
第2章 漁の道・沖縄の海人という生き方・伊豆七島の海底で・網と船と・疑似餌という知   
                            恵・海士からみたアジア
第3章 鍛冶の道・出雲のたたら製鉄・野だたらー鉄の漂白民
第4章 狩猟の道・山と生きる猟師
第5章 修験の道・山の神の呪力
第6章 草の道・男鹿のナマハゲ・トカラ列島の神々
第7章 来訪神の道・南洋の謎の神


ふと思ったが、最近もこのような民俗学を調べ、フィールドワークしている日本人はいるのだろうか。ケイさんの本は常に非常に興味深い内容で、なおかつ読み易く楽しめる。しかもご自分で描いた絵付きで。一冊で七章もあるので、各内容はそれほど深くはないが共通している部分がある。それは信仰する神がいるという事。例えば竹のみちでは竹の象徴などが日本の精神文化にどのように影響してるかなどがある。そしてこれらの「道」はどこにどのように繋がっていくか、そして今後どのように進んでいくのか、行き止まりにならない事を祈る。

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